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何かを育てるのは、手とお金をかけることだと思う。
自分でそれをするのもいいけど、他人にされることでめきめきと変わる。

職場で評価面談が行われた。有休の話が出て、小悪魔先輩から「まとめて休むなら俺が辞めた後にして」と言われ、必要とされてる感にぐっと来る。
この人は頭がよくて見た目がよくて構いたがりで、席が近ければ必要以上にスキンシップをはかる傾向があり、昔は好きになりかけたり今はうんざりしたりしてる。
だけど、手をかけないで育つものはないとしたら、あのタッチもいじわるなトークも、全部私の肥やしだ。
目を見てここにいていいとわからせ、使えるようになるまで手をかける。
おかげで捨て犬のようだった私も、だいぶ安定した気持で過ごせるようになった。
同世代でそんなことができる彼はすごいと思う。
こういうのを新鮮に感じるのは、今までそういう教育を受けていない裏返しだけど。

今週はとても忙しく、不在のスタッフの仕事もかぶり私はいっぱいいっぱいになっていた。
とか言って、最終的に振られた仕事はできてしまうのが重宝される所以だが。
見かねたのか小悪魔先輩が、黙って仕事の一次チェックをして私の稼働をちょっと減らしてくれた。今まではただ仕事を振られて、あなたならできて当たり前、さすがみたいな扱いの上司と働いていたから、一緒に走ってくれる感じは心強い。