夢降る夜

憧れの会社(数回「まさかの大企業」と書いたが、社員数は多くないのでこの表記に変える)の
選考はするする進んでいる。
ここまで来たら半信半疑でいい夢だったでは終わりたくない。
今は待遇調整の段階、最後の稟議までちゃんと通ってそこで働きたい。

まるで遅いクリスマスプレゼントのようないい気配があると、現職場のいろいろにも
寛大になれる。
ヘルプに入ってる部署の若き管理者男子が、いつの間にか挨拶返さないようなお山の大将ちゃんに
なっていても苛立ちも恐れもなく、憐れみつつ微笑してしまう。
中身はいい人だけど不摂生と缶コーヒーのせいか年下なのにひどい臭いがする男子とも、
構ってちゃんな大声の独り言がうっとおしいおばさまとももう会わなくていいかもしれないなんて。
職場環境の違いで、すぐ破れる割に高いナチュラルストッキングや、背が高い上骨格も大きい自分には
困難なセクシーになりすぎないオフィスカジュアル服、歩きにくい薄ら可愛いだけのパンプスも
全部捨てられるのだ。
ああやっぱり夢にも見なかったような素敵な現実だ。